奈良市の奈良公園内にある東大寺境内で、参道と芝生の境にある柵の鎖をかじる鹿の姿が観光客の注目を集めている。金属製の鎖をあごでしっかりくわえ、ゴリゴリと音をさせてかじる姿は、まるで食べているかのよう。このエリアだけで見られるといい、専門家も謎の行動に首をひねっている。【花澤茂人】 鎖をかじる鹿が見られるのは、大仏殿から南にまっすぐ延びる参道の真ん中あたり。南大門や本坊がある周辺だ。東大寺参拝のメーンストリートとして観光客が歩き、多くの鹿が頭を下げて鹿せんべいをねだる。 昼ごろ本坊前に行ってみると、鹿が5頭ほどいた。柵の鎖は高さ約40センチ。1頭の鹿が柵に近づくと、鎖はちょうど顔の高さにある。鹿はフンフンと鎖のにおいをかいだかと思うと、おもむろにかじりついた。よく見ると、他にも鎖をかじっている鹿がいる。すぐにやめて、またかじる鹿もいれば、1分ほど延々とかじり続ける鹿もいる。「鉄分不足ちゃうか」