きのうと違う新しさを、さらなる変化を――そのような20世紀以来の近代化の波の中で、「変わらないこと」にこだわり続けた稀有なデザイナー、それがディーター・ラムスです。 ラムスは1955年以来、ブラウン社(BRAUN)において40年以上にわたり500を超える製品をデザイン・監修してきました。ドイツの伝統に育まれた、機能に忠実であろうとするデザイン精神。その継承者であるラムスの手がけた品々は、限りなく不変であるからこそ今なお新鮮さを保ち、近年国際的な再評価がすすんでいます。 製品の企画から設計、製造、さらに広告にいたるまで、あらゆる開発プロセスにトータルな視点を向けたラムスはまた、企業のブランド価値を高めるコミュニケーション・デザインのパイオニアでもありました。 本展では、製品と日本初公開のスケッチ、プロトタイプ、モックアップなどを含め300点以上の資料によってラムスのデザイン哲学を