9月3 統合失調症の発症予防のために海馬におけるグルタミン酸の増加を抑制せよ カテゴリ:グルタミン酸精神疾患の予防 前回のブログで妊娠中にインフルエンザに感染すると子の海馬の遺伝子発現が変化し、海馬の組織学的構造が障害されるという論文を紹介したが、今回は、そのような変化が、次の段階として、どのように統合失調症へと発展していくかという1つの仮説を提示した論文があるので紹介したい。 結論から述べると、海馬に生じた変化に、ストレスなどのエピジェネティックな要因が加わると、海馬におけるグルタミン酸神経伝達の過剰が生じ、それが統合失調症の発症に結びつくことになるという仮説(グルタミン仮説の1つの形)である。 すなわち、 (A) インフルエンザ感染によって母体がサイトカインを産生する。このサイトカインが胎盤を障害し、さらに、子の遺伝子発現にも悪影響を及ぼし、正常な海馬の組織構造が構築されなくなる。 (