前回は韓国の年金制度を取り上げましたが、今回は医療保険を取り上げます。 年金と同じように高齢化とともに国民負担が増す制度が医療保険制度です。韓国の医療保険の全体像を見て特筆すべき点は、韓国の健康保険では高齢者が特別に優遇されているということはなく、保険料は若干安くなっているとはいえ、ほかの年齢層と医療費の自己負担率が概ね同じとなっていることです。 日本では通常の自己負担率が30%であるのに対して、70~74歳の前期高齢者が20%、75歳以上の後期高齢者が10%と低くなっていますが(※1)、韓国ではこのような高齢者に対する優遇措置はありません。前回は国民年金が高齢者に厳しい制度になっている点を見ましたが、医療保険も高齢者に厳しい制度と言うことができそうです。今回も日本の医療保険制度と比較しながら、韓国の医療保険について見ていきます。 一元化されたシンプルな構造 まず医療保険制度の概略を説明し
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