この前、社会学の本で興味深い論文を読んだ。 ある女性が、ある男性知的障害者にインタビューをし、男性の人生について考察する、という内容だった。 そしてインタビューをしていくうちに、彼が「結婚」に執着していることが明らかになってくる。 なぜか。 彼には数人の女兄弟がおり、全員結婚している。しかし彼は一度も結婚式に出席できなかったというのだ。 これは、「身内に障害者がいるのを隠したい」という親の考えから来た物だという。 このように、彼は今まで家族から構成員として認めてもらえず、疎まれてきたという。かといって障害のある身だから独り立ちも出来ない。 そのうちに彼は、自分の存在を<男>でも<女>でもない、<おまけ>として認識していく。 そして彼にとって、この<おまけ>カテゴリから抜け出し、<男>になる手段として、結婚を認識するようになる。今まで一度も参加できなかった結婚式を自分で開くことは、家族に自分
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