田口ランディ「生きなおすのにもってこいの日」: ハッチのライブラリーⅡ読むスピードも読解読力も衰えがちなこのごろ、でも、読むことはいつも好き。 本があって猫がいれば、それで幸せ。 そんな八ヶ岳からの読書日記です。 アメリカのネイティヴ・インディアンに「今日は死ぬのにもってこいの日」という有名な詩がある。 天気もいいし、畑はきれいに耕されているし、今日は死ぬのにもってこいの日だ、という内容だ。 私の母は、冬になるとときおりウツに陥り暗い顔をすることがあった。 そんな時母の好きそうな小説を送っていたのだが、あるときそれらに加えて「今日は死ぬのにもってこいの日」の詩集を送った。 そうしたら母は「あの詩はいいねぇ。あんなふうになれればいいのよね」と気に入ってくれたようだった。 実は私は内心ひやひやしながら送ったのだけれど。 このランディさんの「生きなおすのにもってこいの日」は、その詩をもじったものだろう。 でも考えてみれば、死ぬのにもってこいの日というのは、生きるの
