従来、サイバー攻撃の対象は企業や組織の情報システムが主で、これらのシステムが保有する知的財産や個人情報を狙う攻撃が主流だった。一方、産業制御系システムはネットワークから隔てられており、通信プロトコルも違うため外部の攻撃から比較的安全と言われていた。しかし、機器のメンテナンスやソフトウェア更新時にオフィス機器に接続したり、外部ベンダーによるインターネット経由の遠隔監視など、セキュリティ上のリスクが高まっている。電力・ガス・鉄道・金融・化学などの重要インフラや工場、プラントなどで利用される産業制御系システムが狙われ始めており、その対応が大きな課題になっているという。 すでに海外では重要インフラが攻撃され、核燃料施設の機器破壊や、140万世帯に及ぶ大規模停電など、物理的な損害に至った事故も発生している。日本でも自動車メーカーの工場が操業停止する事例や、水道局のシステムが狙われ停止する事例などが発