「事務職や技術職」に、裁量労働制を拡大したら違法! 先日、「トヨタ自動車が裁量労働制を拡大」すると、マスコミ各社が報道した。 トヨタ、裁量労働を実質拡大 一定の「残業代」保証 (日本経済新聞) 非常に問題点が多く、誤解を招くニュースである。すでに多くの労働弁護士からネット上で批判がなされているように、残業代をあらかじめ45時間分払うというのだが、これは単なる「固定残業代」であり、裁量労働制とは関係がない。誤報のレベルだ。 さらに驚くべきことに、この日経新聞の記事の冒頭には次のように書いてあった。 「トヨタ自動車は自由な働き方を認める裁量労働の対象を広げる方針を決めた。法律が定める裁量労働制の業務よりも幅広い事務職や技術職の係長クラスを対象とする」 読者はこれを読んで、「トヨタが法律の枠を超えて裁量労働制を拡大した」と理解してしまうだろう。 その結果、次のような誤解が生じる。 「裁量労働制は