東芝が2020年7月に開いた定時株主総会の運営が不公正だったとする調査報告書は、東芝と経済産業省との不透明な関係を暴露した。当事者は「安全保障上の脅威に対応した」と反論するかもしれない。だが報告書によれば、両者は少なくとも4つの国益に背いた。一方で、この報告書を生んだ会社法など日本の法律システムは、かろうじて海外の信用を保ったといえる。「パンドラの箱を開けた」。コーポレートガバナンス(企業統治
シャープは4日、東芝のパソコン事業を買収する方針を固めた。買収額は50億円前後のもようだ。東芝は構造改革の一環で赤字が続く同事業を切り離す。シャープはパソコンから撤退済みだが、親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は米パソコン大手から生産を受託しており効率生産のノウハウを持つ。グループ基盤を使って再参入し新たな収益源に育てる。シャープは東芝が全額を出資する東芝クライアントソリューション(東京・
3月24日、最高裁で画期的な判決が下った。先の記事でも紹介したが、過重労働でうつになったことで解雇を通告された、社員の重光由美さんが、東芝を訴えた裁判だ。二審判決は解雇の無効を認めたものの、重光さんにも過失があるとして損害賠償を減額していた。最高裁は二審判決を破棄、東京高裁に差し戻した。 最高裁の下した判決を見ると、東京高裁の判決のおかしさは改めて浮き彫りになる。東芝が主張した重光さんの過失とは、精神科への通院を会社に申告しなかったこと。それによって会社は、うつ病の発症回避の対応が取れなかったとしている。これを高裁は取り入れて、損害賠償を減額したのだ。 だが最高裁第2小法廷は、「精神科への通院などは、プライバシーに関わることであり、人事考課にも影響することであるから、知られずに働き続けるのが普通である」と明確に指摘した。 重光さんは、次のようにコメントしている。 「本日、最高裁において、私
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