朝、起きてみると、家の前の道が雪に覆われていて出かけることもままならない──雪国に住む人なら経験したことがある深刻な事態だ。アメリカでも事情は同じとみえて、ウィスコンシン州ウォーキシャー、ニューヨーク州バッファロー、ミネソタ州ミネアポリス、マサチューセッツ州ボストンなど全米各地で、除雪車に温度センサーを装着し、GPS情報と組み合わせて、除雪の効率化と住民サービスの向上を図る取り組みが進んでいる。 例えば住民が近所の除雪を市などに依頼すると、除雪車は、まず幹線道路を除雪し、徐々に細い道を除雪しながら依頼された場所に向かう。これまでは、除雪車は今どこにいて、どの道の除雪が終わっているのか、そして依頼した場所の除雪はいつ終わるのかを知るすべはなかった。導入が進むシステムでは、GPSとセンサーによって、除雪車が位置と状況を時々刻々と伝えることができるので、住民に作業完了をメールなどで通知すること