中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)は、昨年5月に菅直人首相(当時)の要請を受けて稼動を停止した。ここは今、約1400億円の費用をかけた津波対策などの大規模な工事を行い、さらに安全性を高めようとしている。ここを8月初頭に取材した。 海抜18メートルの高さの防波壁など、工事は圧倒される規模だ。「心と力をひとつに」を合い言葉に社員と関連会社の約4000人の人々が働き、安全性を高める努力を重ねている。 しかし政府からの再稼動の確約はない。政治家の干渉が一企業に重くのしかかり、いずれは利用者がそのコストを負担する。おかしな現状を放置してよいのであろうか。 浜岡原発を通じて、エネルギーの未来を考える。 (取材・構成 石井孝明 アゴラ研究所フェロー)