政治学者の山本圭・立命館大准教授(寄稿) 英国のブレグジット(欧州連合離脱)やフランスの黄色いベスト運動、そして5月には欧州議会選挙を控え、話題に事欠かない欧州政治。キーワードになるのはまたしても「ポピュリズム」だ。だが、こんかい話題にしてみたいのは、排外主義的な性格の強い、いわゆる〈極右ポピュリズム〉ではない。たとえば、社会正義と平等を訴える、そんなポピュリズムがあるとしたらどうだろうか? それが〈左派ポピュリズム〉である。 もとよりポピュリズムに対しては、「大衆迎合主義」と(誤って)翻訳されることが多いせいか、本邦ではことのほかネガティブな印象が強い。これが喚起するイメージといえば、デマゴーグによる人気取り政策、あることないこと放言する民主主義の腐敗、おおかたそんなところだろう。 とはいえ、元来ポピュリズム…
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