私ども情報処理学会は、情報処理分野における日本最大の学会として、わが国の将来にわたる持続的な発展のため、すべての国民を対象とした情報教育の拡充が必要であることを、継続して訴えてきています[1]。その柱の一つが、高等学校における教科「情報」の学習の充実です。「情報」は新しい教科として2003年に開始され、必履修としてすべての高校生が学んでいます。 さて、高校で開講されている教科の学習を充実させるには、その教科の内容の充実は勿論ですが、個々の生徒の学習達成の適切な評価も欠かすことはできません。その際、大学入試センター試験(以下、センター試験)は、数学、英語をはじめとする多くの教科・科目において、学習達成の標準的な基準を考える上で指針というべき役割を果たしています。 しかし現時点において、教科「情報」はセンター試験の出題教科となっていません。このことは、わが国の将来のためには情報教育が重要である