このコラムでも繰り返し説明してきたように、日本の財政は非常に厳しい状況にあり、今後さらに高齢化が進展していくことを踏まえれば、財政の健全化はもはや先送りの許されない課題だ。 日本政府は現在、2020年度までに基礎的財政収支(プライマリー・バランス:PB)を黒字化するとの財政健全化目標を掲げている。(詳細は2014年11月18日、2015年2月24日の本コラム参照。) そして、その具体的な道筋を示す財政健全化計画を、本年6月末までに策定することとしている。 この計画の出発点となるのが、内閣府が本年2月12日に公表した「中長期の経済財政に関する試算」である。 ※http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h27chuuchouki2.pdf この試算では、いわゆるアベノミクスの「三本の矢」の効果が発現し、経済再生が実現する「経済再生ケース」と、経済が足元の潜在成