弁証法的唯物論は、マルクス主義の世界観で、マルクスが唱えたものですが、色々な複合的な成立事情があります。(もっと詳しい説明を書いたのですが、たいへん長いものになったので、簡単なものにします) まず、唯物論は、物質一元論のことで、古代哲学では、エピクロス派がそうで、ルークレティウスなどは、物質一元論の世界観を説きました。しかし、これらは、古代の唯物論で、「物質」とは何かの意味把握が現代・近代とは異なっています。 近代的な唯物論は、スピノーザの宇宙観に似ています。スピノーザは世界を構成する一元論的実体として神=自然を考えました。この神=自然は、「必然法則」を持って展開しており、また変容しています。運動しているとも言えます。弁証法的唯物論の物質は、必然法則を持って運動している実体で、また、法則には、「物質の階層」があって、適用範囲が異なり、これが弁証法と連関しています。 他方、弁証法の方は、これ