夏目漱石論 目次 出版案内 『漱石作品論』 上・下 赤嶺幹雄著 ここに掲載する文章は、1995年3月に出版した『漱石作品論』の概観として書いたもので、ニフティの文学フォーラム、13番会議室にアップしたものに、多少手を加えたものです。分析抜きに結論をならべた概観ですので分かりにくい部分も多かろうと思います。 この概観と『漱石作品論』の文章がどんな関係にあるかを示す実例として、概観の終りに、『漱石作品論』のなかの『彼岸過迄』の全文を掲載しました。これは、漱石の作品のなかでも特にひろく読まれている『こころ』を理解する鍵となる作品です。『彼岸過迄』と『行人』は、漱石が何を描こうとしているのか分かりにくい作品ですが、これらの作品は漱石が新たな飛躍をするために、心血を注いだ作品であって、これらの作品の理解なしには、『こころ』の内容にはまったく届きません。この作品から、『行人』、『こころ』へと非常な勢い