食用に供される穀物,食肉などの総称。最も大量で重要なものは穀類で,栄養素としてみた場合,熱量素 (炭水化物,脂肪,蛋白質など) としても保全素 (蛋白質,無機質,ビタミンなど) としても8割近くを穀類に依存している。次に根菜類,砂糖,豆類,油脂用種子,果実であり,第3に食肉,家禽,酪農製品,魚類の順である。第2次世界大戦後,食糧不足が世界的に切実な問題となり,1946~47年に各国が各種の増産策を打出してその打開に努めた結果,55年には世界全体の食糧生産は戦前の水準を 20%上回るにいたった。しかしこれで食糧問題が解決したわけではなく,アフリカを中心とする開発途上地域では人口増加に比して生産が伸びず,食糧不足が依然深刻である反面,アメリカやその他若干の国々では穀物などの余剰食糧問題に当面するなど,地域的格差が激しく,この点の調整が中心論点となっていた。加えて 80年代に入り,人口の増加率が