動きをデザインする「モーション・デザイン」。その技術はロボットの動作を生み出したり、車両安定制御システムで安全運転を支えたりと、私たちの日常生活に役立てられている。映像・メディアアートにおいても、「動き」は躍動感を与え、感性に訴える表現を可能にする。先端技術を使ったものから、身近な材料を使った原始的仕組みのものまで、動く作品を一堂に集めた「動きのカガク展」が21_21DESIGN SIGHT(東京都港区)で開かれている。(黒沢綾子) ◇ 展覧会ディレクターを務めたのは、NHK大河ドラマのオープニング映像やCMなどを多数手掛ける映像作家、菱川勢一。武蔵野美大教授として後進の指導にもあたる菱川は、企画意図をこう語る。 「(小学校の)先生たちに聞くと、日本の子供の教育から、図工と音楽の時間が減ってきているという。英語やデジタル系の授業が増えるのはわかるが、自分の子供時代を思い返せば、図工の時間に