体に起こる自然な反応を利用して、聞こえに関するさまざまな情報を得る――NTTコミュニケーション科学基礎研究所の研究成果だ。被験者の回答に頼らない新しい手法を利用した3つの研究成果を紹介する。 「音を聞かせたとき、その音にどの程度注意が向いているのか、質問せずに判定する方法が見つかった。さまざまな音を聞かせてみると、本人にとって目立つ音の場合のみ、瞳孔(どうこう)が1%程度開く。例えば、ビープ音や黒板をひっかく音だ。逆に鳥の鳴き声にはほとんど反応しない」(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部感覚共鳴研究グループの主幹研究員、グループリーダーである古川茂人氏)。 NTTコミュニケーション科学基礎研究所は、2015年6月1日、研究成果を一般に公開する「オープンハウス2015」*1)の開催に先駆け、7つの研究成果を報道機関向けに紹介した。今回はそのうち「生体反応で”聞こえ”をはか