2.2. 鍵交換の基本技術 秘密にしたい文書(情報)は、暗号化して相手とやりとりすることで、第三者に秘密を漏らす心配を無くすことができる、ということを前節では説明しました。そして、暗号化には「鍵」が必要だということも説明しました。実際の暗号通信においては、通信を行う当事者間でどのようにして安全に鍵を受け渡すのかが重要になります。ここでは、安全に鍵を受け渡す鍵交換の基本技術について説明します。 2.2.1. 公開鍵暗号を用いた鍵交換 共通鍵暗号アルゴリズムを用いて暗号化や復号を行うには、共通の秘密鍵を用いなくてはなりません。すなわち、太郎君と花子さんは同じ鍵を持っている必要があるのです。ここで問題になるのは、通信したい相手とどうやって鍵を秘密裏に共有したらよいかということです。 公開鍵暗号方式の場合、秘密鍵を事前に共有しておく必要はありませんが、一般に公開鍵暗号は処理に時間がかかるため、通常