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増田文学に関するhiroshitodaのブックマーク (4)

  • 旅が終わる気がする

    私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

    旅が終わる気がする
    hiroshitoda
    hiroshitoda 2020/07/01
    これは良い増田文学
  • こんばんは、貯金箱です。正確には前世で怪獣の形をした貯金箱でした。お..

    こんばんは、貯金箱です。正確には前世で怪獣の形をした貯金箱でした。お金べる生物として寓話的にも唯物的にも適任かと思いましたので、にまつわる思い出を、少し。 この業界では「喉元すぎれば半人前、口からこぼして一人前」といわれています。持ち主の三日坊主や途中解約などにより、お金に満たされて天寿を全うする例は多くないぞ、という戒めです。常に飢えた私たちは体内の空白に敏感で、あと何円でそれを埋められるか計算ばかりしていました。お互いを見張り、その事内容に一喜一憂し、とても健やかとは言えなかったと思います。 稀に、高額紙幣を口にする機会もありました。あのゴワついた紙が口に押し込まれるとき、他の仲間を出し抜いた心地良さで口の端が歪み、秘めやかな興奮が心に渦を巻いたものです。一度その味を覚えると、少額の硬貨を口にすることは砂を噛むような苦行となりました。 実は私、あと数百円で完全に満ち足りるまでお

    こんばんは、貯金箱です。正確には前世で怪獣の形をした貯金箱でした。お..
  • 頭蓋骨

    「お前、脳みそ入ってんのか?」と問われて、私には脳みそが入っているのかどうか不安になった。 私の頭蓋骨の中に脳みそが入っているのかどうかを確かめることは、相当に難儀することが予想された。なぜなら私は脳外科医ではなくパン屋だからだ。 パンを切る尋常ではない形のナイフとピザを切り分けるローラーみたいなやつしか見当たらかなったので、それで手術を敢行した。 は接客をしている。今がチャンスだ。万が一私に脳みそが入っていなかった際ののショックは計り知れないだろう。なぜなら私たちは、私の頭の中に脳みそが入っているという暗黙の了解の元に結婚したからだ。離婚などとなったら誰がパン屋の接客をすればいいのか。 3時間の奮闘の末に頭蓋骨を取り外した。ピザを切り分けるローラーみたいなやつは頭蓋骨を切り分けることもできるとわかったことが収穫であった。 よし、いよいよ自分に脳みそが入っているのかどうか確かめるぞ。

    頭蓋骨
    hiroshitoda
    hiroshitoda 2018/06/09
    すごい
  • 私が断ると、その男はおもむろにズボンをおろしてイチモツをさらけ出した..

    私が断ると、その男はおもむろにズボンをおろしてイチモツをさらけ出した。そして、激しく動揺する私にもかまわず、あろうことか、そのままそれに右手を添え放尿を始めたのである。 びゅう、びゅうっ、びゅびゅうっ どれだけ溜まっていたのだろう。勢いよく放たれる黄金(こがね)色の水はみるみる床に広がっていく。私はあまりのことに何が起こっているのか理解できなかった。店内に立ち込めるアンモニア臭には、ほのかに甘い果実のような香りが混ざっていて、この男は糖尿病なのだろうかなどと考えていた。 「なにやってんだ、こいつ。店の中でしょんべんしやがったぞ。」 生姜焼き定っていた中年の客が叫ぶと、他の客も事態に気付いたのか、店内は騒然となった。 anond:20180307203852

    私が断ると、その男はおもむろにズボンをおろしてイチモツをさらけ出した..
    hiroshitoda
    hiroshitoda 2018/01/07
    なんなのこれ
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