「データをたくさん集めると、つい多くを盛り込みたくなってしまう。しかし、それは図解の目的からすると、逆効果になりかねない。見た瞬間に『メッセージはこれだ』と分かるよう、極力いらない情報は省くべきです」。こう指摘するのは、『マッキンゼー流図解の技術ワークブック』(東洋経済新報社)の共訳者である数江良一さんだ。 下の表を見てほしい。自動車メーカーの製品イメージを消費者にヒアリングしてまとめたものと仮定しよう。5社の中でB社がどの位置にあるのかを伝えることを目的に作成された。しかし、全社の数値を羅列した表では、B社の部分だけ色を変えて目立つようにしたとしても、5社の中でどの位置にあるのかが分かりにくい。