数々の修羅場をくぐり抜けてきた名経営者たち。自らの生き様を語った言葉から、これからの人生の指針を打ち立てるヒントを得る。 2007年5月、ブックオフコーポレーションの会長だった坂本孝は、京セラ名誉会長の稲盛和夫から突然呼び出された。それは、坂本が創業した中古書籍販売チェーン・ブックオフコーポレーションの売上高の不正計上が、週刊誌に叩かれた直後のことである。 東京・八重洲にあるオフィスに駆けつけるやいなや、「盛和塾でいったい何を学んできたんだ」と一喝された。稲盛の普段の柔和な顔からは想像できない猛烈さだったと坂本は振り返る。 「とにかく恐ろしかった。何をいわれたかも覚えていない。言い訳もできないし。ただ身を小さくしていた。秘書の方が次の約束の時間を告げるメモを何度も稲盛さんに手渡しにきた」 帰りがけに稲盛は坂本をエレベーターの前まで送った。そして、右手を差し出し「がんばりなさいよ。何でも応援
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