お相撲さんは体が大きいだけに大酒、大食い、怪力にまつわる逸話が多い。酒のことを「馬力」と呼ぶのもいかにも相撲界らしい隠語。朝稽古の後、ご飯用と同じ大きさのどんぶりにビールをなみなみと注ぎ、飲みながらちゃんこを食べる。相撲部屋ならではの光景だ。少し前までは、ビールでなく日本酒だった。 そんな力士たちが残した逸話を元に、戦後幕内力士の酒豪番付を作ってみた。もっとも、相撲界には「イイトコ」という隠語も存在する。ほら話とか話半分といった意味で、酒豪伝説も多分に「イイトコ」が含まれている可能性があるが、この手の話は大きいほうが面白い。本人に確かめても、本人のほうがもっと大げさに答えたりするのがお相撲さん。したがって、ここに紹介するエピソードも、実話かどうか目くじら立てずに楽しんでいただきたい。 現役ではともにグルジア出身の臥牙丸、栃ノ心が底なしといわれ、モンゴル勢では日馬富士の酒好きが知られている。