系譜の連続性 ハイコンテクスト社会であることは、日本人を語る上でもっとも重要なポイントだろう。ハイコンテクストとは系譜の連続性が重視されると言うことだ。系譜とは一族の先祖であり末代であるが、日本人の場合には数代遡ればどこか繋がっているという意味で、系譜の連続性は血が張り巡らされた「日本民族」を意味する。だから個人の行いが自らや仲間だけの問題ではなく、先祖、末代、そして日本人へと影響を与えると考える。 現に日本史の中で恥をかいた者の子孫は、いまもどこか後ろめたい。そんなことが現実に起こっている程、日本人にとって系譜の連続性には力があるハイコンテクストな社会なのだ。 なぜ武士は成果より美学を重視するのか たとえば、どこの国にも日本の武士のような覇権を争う武闘集団はいるが、武士の特徴も「ハイコンテクスト」にある。中国の兵法などの闘いの極意を見ていると、巧妙で勝つことにどん欲だ。人を騙すことも重要