中国の社会派芸術家艾未未(あい・うぇいうぇい)が、4月3日に北京首都空港から香港経由で台湾に向かおうとしたところを拘束されてから、すでに1カ月が経った。日本では震災報道の陰でほとんど詳細な報道はなされておらず、わたしもいくつかの媒体に執筆の企画を出したが断られ、結局ほとんどの人が、艾未未という人物の存在から、この事件の重要性までを知らずにいる。 それでも艾未未の背景についてはネットで検索していただけば、だいたいのものが出てくるのでここでは詳しく述べない。彼はある意味、庶民的な生活を芸術行動に昇華させて、世界の人々に中国の姿(グロテスクさ、摩訶不思議さ、かわいらしさ、ハチャメチャさなど)を知らしめてきた。作品ジャンルは彫刻だったり、焼き物だったり、絵画だったり、写真だったり、パフォーマンスだったり、ビデオだったり、と、彼自身が混とんとする中国をそのまま表してきた。だから、彼の拘束は世界のトッ