昨年末のInter BEE 2009でも確認できたように、2011年の地上デジタル放送完全移行に向けた取り組みは一段落した。制作市場の興味は、完全移行後に本格化する次世代映像の制作環境に急速にシフト始めているようだ。2009年を通して見たときに思い浮かべるキーワードには、「デジタルサイネージ」「4K」「ステレオスコピック3D(S3D)」「デジタル一眼ムービー」といったものがすぐに浮かんでくるだろう。映像制作のなかで、このキーワードの1つ1つは、まだ限られたところでの活用でしかないが、今後の映像表現には欠かすことの出来ない要素として、可能性を十分に秘めている。 こうした新たな表現を牽引しているのは、デジタル制作だ。収録から編集、配信まで一貫したデジタル制作になった、すなわちファイルベース・ワークフローが実現し始めているということに尽きるだろう。例えばS3Dについては、これまで何度もトレンドと