「本日は、ほんっとーーに、ありがとうございます!」 少し舌足らずだが感情のこもった音声が3月1日、「ヤマハ銀座ビル」(東京・銀座)の地下ホールに響いた。ヤマハ「Y2プロジェクト」の企画を紹介する「Y2 SPRING 2010」のオープニングのひと幕。「VOCALOID-flex」で合成した音声だ。 VOCALOID-flexは、歌声合成ソフト「VOCALOID」に、自然なしゃべり声の合成機能を加えたソフトだ。VOCALOIDは歌声に特化していたが、flexはしゃべり声の編集に対応。音韻(音素などの音の構成や長さ)や韻律(音の高さ、強さ)の細かな編集が可能で、感情のこもった声や方言など、さまざまなトーンの声を再現できる。 「VOCALOIDのようなナチュラルな音声データベースを使い、ユーザーが指示した通りにイントネーションなどを再現できる点が新しい」と、開発に携わった同社の剣持秀紀さんは話す