「自分でやる」ことのもう1つの意味：瀧口範子「シリコンバレー通信」昨年末、未来学者のアルビン・トフラーに会う機会を得た。ご存知のように、トフラーは妻のハイジ・トフラーとの共著で『第三の波』や『パワーシフト』などの著書があり、情報や知識が動力となる社会とはどんな場所になるかを予測している。新著『富の未来』は、その変化が実際にどう起こっているのかを、社会、経済、政治の中につぶさに観察したものだ。彼に会ったのは、その『富の未来』を書いた背景や周辺を聞くためだった。 ATMを使うこととデジタルカメラを使うことの共通点 その時に出てきたことばで、今もまだ反芻しているものがある。それは次である。 「今われわれは、貨幣を用いて道具を買い、その道具の助けを借りて貨幣経済の外側で活動する能力をどんどん磨き上げているのです」。 『第三の波』には「プロシューマー」ということばが出てくる。トフラー夫妻の造語で、モノを生産するプロデューサーと、そうしたモノを消費するコンシューマー
