応援団現る 「あなた、自分が思っているほど出世しないから」 エレベータを降り、すぐ目の前にあるドアを開けてネットライフ企画の狭いオフィスに入ってきた、まだ会って5分もしていないその女性は、僕の右手を両手で包み込み、手相の線をじっと見ながら、占い師のような顔つきで僕に向かってそう言った。ギクッとした。 「出口さん、次は貴方も手相を見せて」 「は、はい・・・」 あらゆることにおいて百戦錬磨のはずの出口も、たじたじだった。 女性の名は、牧野紀子。マネックス証券の立ち上げメンバーの一人であり、広報部長として同社を東証一部上場まで導いた立役者である。退社後、norimaki Co., Ltd なる会社を設立し、理念に共感した会社のPR業務を手伝う仕事をしていた。これが、僕らとの初めてのミーティングだった。 新会社にとってもっとも大切なのは、PRとブランド構築であることは明らかだった。無名の会社が一般
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