W杯南アフリカ大会で決勝トーナメント進出を果たした岡田ジャパン。ゲームキャプテンとしてチームを引っ張ったのは不動のボランチ、長谷部誠(26=ボルフスブルク)だった。これまではGK川口能活(34=磐田)、中沢佑二(32=横浜)らベテランが主将に指名されてきたが、26歳の中堅が世界の大舞台でキャプテンマークを巻くまでには何があったのか――。 × × × 長谷部がゲームキャプテンに任命されたのは5月30日のイングランド戦直前だった。岡田監督から伝えられた長谷部は驚いて声を失った。起用理由について岡田監督は「中堅どころでチームを引っ張っている。チームメートも信頼している」と話している。ただ中沢と違うタイプの長谷部には別の役割を期待していた。 長谷部は自分を「いじられキャラ」と言う。浦和社長時代から知る犬飼会長は「おとなしい子」と評す。主将のイメージはない。実際プロでも、高校(藤枝東)でも