先週メディアをにぎわしたキリンとサントリーの経営統合に関して、その背景や経営統合後の筆頭株主がサントリー創業者一族になるという話は、先日ザイオンラインのコラムで書いたが、今回は、サントリーが普通に株式公開をして上場企業になる場合と比べてのメリットについてまとめてみたい。 オーナー企業の上場に伴う 株式オーバーハングを回避 オーナー企業の上場、あるいは、子会社上場に付きまとう問題に株式オーバーハングの問題がある。これは、上場後も大きな持ち分を保有するオーナー、あるいは親会社が、いずれ株式を売り出すであろうとの憶測が株価の上値を抑えるという問題である。オーナーや親会社が株式を売り出せば需給バランスが崩れて、売り圧力が強まるというものである。サントリーは9割を創業家が保有する状況ゆえ、このまま普通に上場してもその持分を下げていくには相当な期間を要する。しかし、もしキリンとの経営統合が実現すれ