「39年の人生の中で一番濃密な時間だった。2月からね…」。大阪府の平成20年度予算案が与党の自民、公明に加え、野党の民主も賛成して可決した23日、知事の橋下徹(39)は満足そうに振り返った。 2月の就任から間もなく半年。職員の人件費や私学助成の削減、ハコモノ行政の統廃合など、賛否を巻き起こした「橋下改革」は、ようやく実行段階に入る。 「過去の知事とは全く違った」。橋下と対(たい)峙(じ)した府庁幹部の共通した意見であり、その手法は大きく3つに分けられる。1つ目は「政治の素人」であること。疑問点に一つずつ立ち止まり、ごまかしがきかない。ある幹部の携帯電話には、深夜でさえ橋下の着信記録がびっしりと並んでいた。 2つ目は「公開性」。タレント時代に利点と怖さを実感したのだろうか、会議のほぼすべてにテレビカメラを入れるやり方は、視聴者に知事の“抵抗勢力”を印象づけるのに十分だった。