They Came From the Boardroom エイリアンが登場する傑作短編映画から生まれたが、「企業=悪」という陳腐な設定に流れた駄作 宇宙人飛来の結末は、大いなる歓喜かバイオレンスのどちらかだと私たちは思いがちだ。運がよければ、彼らはまばゆい宇宙船から音楽を聞かせたり(『未知との遭遇』)、老人を若返らせたりしてくれる(『コクーン』)。 そうでなければ、地球の水を盗もうと巨大な宇宙船から出撃してきたり(『インデペンデンス・デイ』)、人間の血を吸い取って肥料にしようとする(『宇宙戦争』)。 地球を侵略するエイリアンは天使か悪魔。そう思っていたのに、ただの厄介者だとしたら? ニール・ブロムカンプ監督の『第9地区』は、宇宙船が南アフリカ上空で立ち往生してから28年後を描く。船に乗っていた昆虫に似たエイリアンたちは地球に降り立ち、ヨハネスブルクの劣悪な隔離地区で難民として暮らしている。