【はじめに】 “特許出願を英語でなんというか”、という問題は初歩的な質問に見えますが、必ずしも易しくはありません。出てくる答えは、おそらくpatent applicationとなるでしょう。間違いではありませんが、このpatent applicationには次の三つの意味があります。 ①特許出願行為自体、 ②出願書類一式、 ③出願の内容である発明 (出願発明) 【出願と申請】 ”application”の訳語としては、特許以外の世界では「出願」よりは「申請」が一般的ですが、特許では「特許申請」とは言いません。しかし、新聞やテレビなどで今でも「申請」が使われたりしていますが、特許実務家なら資格や実力を疑われることになります。法律用語としての「申請」は、「国や地方公共団体の機関に対し一定の行為を求める意思表示」と定義されており、その意味では特許申請でもいいように思いますが、特許出願は、「書類一