先週半ばの各社報道によれば、国土交通省は2020年4月以降に販売される新車から、ヘッドランプを自動点灯する「オートライトシステム」の装備を義務付ける方針だという(関連記事)。 問題となっているのは薄暮時の事故だ。ヒトの視覚システムには2系統のセンサーがある。網膜が光を受けたとき、明るい環境では色を見分ける錐体(すいたい)細胞が中心となって働き、暗い環境では物の形を見分ける桿体(かんたい)細胞がメインになる。錐体細胞は鈍感で、暗い場所では機能できないためだ。桿体細胞は色を判別できないので暗い場所では色が分かりにくくなる。 では、この暗い場所のスペシャリストである桿体細胞が光に当たるとどうやって信号を出すかと言えば、タンパク質とビタミンの分離によって視神経に信号を送る仕組みなのだ。タンパク質とビタミンが結合した状態に光が当たると分子の形が変わって分離する。これがセンサーの仕組みである。逆に言え