【西村宏治】エアコンで冷媒をどう使うかは、メーカーにとって「企業秘密」ともいえる大切なノウハウ。ところがダイキン工業は、そんな基本技術を新興国で無料で公開している。その裏には「損して得取れ」という発想の転換がある。 公開されているのは「HFC32」と呼ばれる新しい冷媒を使ってエアコンをつくるために、ダイキンが持っている基本特許。新興国でエアコンを生産する場合、ほかのメーカーがこの技術を使っても使用料を求めない。 HFC32は、これまで日本で主流だった冷媒に比べて地球温暖化への影響が3分の1ほどで済み、冷房能力は1割余り高い。