新潟県佐渡市のご当地キャラクター「ブリカツくん」が、もがいている――。佐渡観光協会の臨時職員から独立してから1年。佐渡を拠点に県内外のイベントに参加してきたが、契約してくれるイベント数が思った以上に伸びず、生活は苦しい。「ブリカツくん」を演じている男性が、匿名を条件に朝日新聞の取材に応じた。 佐渡の魚、寒ブリを食材にしたブリカツ丼を宣伝しようと、2010年に誕生したマスコットキャラクターが「ブリカツくん」だ。当初は2Dだったキャラクターは11年、着ぐるみが完成。知人に誘われた男性がこの着ぐるみを着て、各種イベントに参加し始めた。与えられた任務は、ブリカツ丼を軸とした佐渡の食文化の宣伝だ。 15年は忙しかった。北陸新幹線の延伸開業と佐渡汽船の高速カーフェリーあかねの就航で、観光キャラバンの一員として金沢や東京など各地に随行。佐渡の宣伝に一役買ってきた。 単に場を和ませるだけではない。イベント