女性ホルモンを補うことで、ほてりや発汗、動悸(どうき)やめまいなど更年期の症状を改善する「ホルモン補充療法(HRT)」。一時期、「がんのリスクを高める」などとして下火だった。だが、各国の研究の積み重ねでリスクの適切な評価が進み、再び注目されている。 「何でこんなささいなことで、ミスをしてしまうんだろう」。東京都の会社員女性(55)は2011年ごろから、非常に疲れやすくなった。仕事で集中力が続かず、気持ちが沈み込み、家に帰るとぐったり起き上がれない。気温と関係なく汗が大量に噴き出す症状にも悩んでいた。 翌年、飯田橋レディースクリニック(東京都千代田区)を受診し、更年期に特有の症状だと診断された。女性ホルモンを服用すると、間もなくいずれの症状も軽くなった。今は仕事と両立しながら大学に通っている。「治療前は意欲も無くなっていたが、気持ちが前向きになれた」と話す。 女性は閉経前後の更年期になると、
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