長年、世界を飛び回って自動車業界の動向を分析している伊藤忠総研上席主任研究員の深尾三四郎さん(42)は、自動車業界で世界最大のブロックチェーン(取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のように繋げ、分散的に処理・記録し正確な取引履歴を維持する技術)の国際標準化団体である「MOBI」のアジア人唯一の理事でもある。 <【前編】ここにきて、日本の中古車が世界で「ひとり勝ち」するかもしれない…!専門家が着目する「自動車産業」の新たな価値>では、日本のEV産業はどうやって収益を上げるべきか、欧米や中国に後れをとっている日本のEVが生き残る道について深尾さんに聞いた。 本稿では、“電池パスポート”や“データで稼ぐ”というEVビジネスの注目点と共に、日本のEVが今後進むべき方向について、深尾さんに聞く。 中古車の価値を上げる方法論 日本の自動車産業が重視すべきポイントは“中古車”と“ブランド力”だと深