壊滅状態にあるとも言えるこの国の中で、新しい未来を切り拓こうとする若者を、「AKIRA」へのオマージュという形で表現したかった。 この「AKIRA」の複雑なストーリーが、横山光輝の漫画「鉄人28号」へのオマージュ作品であったことをご存じだろうか。 違和感を感じるかもしれないが、アキラの別名が「28号」であることや、両作品の主人公の名前が「金田正太郎」ということからもそれは明らかだ。 漫画「鉄人28号」は、太平洋戦争末期、大日本帝国陸軍が秘密兵器として開発していた鉄人を、少年探偵「金田正太郎」がリモコンで操りながら犯罪者や怪ロボットを倒していく物語だ。 特にリモコンがこの漫画の大きな特徴で、テレビアニメ版の主題歌にはこんな一節がある。「ある時は正義の味方、ある時は悪魔の手先、良いも悪いもリモコン次第」。鉄人は、リモコンによる操作によって動作するために、操縦者の意志でその行動が変わってしまうの