前回の記事では、ファストファッションのメカニズムを説明しながら、それが現在の日本で受容されようとしている要因の1つに、層の厚いハイレベルユーザーの存在があると説明しました。今回は、より具体的にファッション市場のメカニズムの変化を、事例を基にご説明していきたいと思います。 東京大学で行われております講義「コンテンツ産業論」では、先日、株式会社ジャパンイマジネーション社長の木村達央さんをお招きし、「“マルキュー”の徹底した顧客指向」というタイトルで講義をしていただきました。 この社名(ジャパンイマジネーション)を聞いてもピンとこない読者の方も、ブランド名を聞けばわかるのではないでしょうか。同社は「セシルマクビー(CECIL McBEE)」をはじめとする「ギャル」や「ギャルのちょっと上の世代」に向けたファッションブランド(セシルリンクなど)を展開しています。 「マルキューのセシル」といえば、若い