国会議員らの答弁を音声で直接認識し、会議録を作成するシステムを京都大が開発し、4月から衆議院で本格運用が始まった。開発にあたった京大学術情報メディアセンターの河原達也教授(情報学)が12日、明らかにした。難解な専門用語も多い国会の審議に関し、こうしたシステムを本格的に採用したのは世界で初めてという。 河原教授らは過去10年間の衆院の審議のうち、約100時間分の音声を自動音声認識システムに覚え込ませた。「えー」や「まぁ」などの言葉を削る機能も有し、昨年度1年間の試験運用では、89%が正確に表記されたという。 衆参両院とも優秀な速記者確保が難しいことなどから採用・養成を中止しており、速記技術に頼らない会議録作成システムの確立が課題となっている。衆院は4月から、本会議や予算委員会などを除き、新システムを全面的に導入。誤表記部分は速記者が修正しているという。