1933年年に松華堂書店より刊行された『断獄実録 第二集』(実際にはそれを1996年に復刻した皓星社の「殺人法廷ケースブック(2)」を参照した)より、明治期の人肉食事件として名高い「野口男三郎事件」の第一回公判の臀肉切取りに関する部分の様子を抜書きしてみた。(原文は旧漢字・旧仮名遣いであるが適宜改めた。)なお、文中の人名は全て仮名で、括弧内の文章は著者の石渡安躬によるもの。裁判長「被告は人肉が悪病に特効あることを知って此臀肉を切り取ったという事件を聞いて何と感じたか。」 被告「肉を取るのが目的ではなく何かに犯跡を晦ます為にしたことと聞きました。」 裁判長(最早面倒と思ってか焦れるような訊問をやめてズバリ中心を衝く)「これは被告が人肉を特効あるものと信じて為したのではないか。」 被告「違う違う、(と口走り乍ら)左様ではありません。」 裁判長「予審では被告が為した様に申立はせぬか?」 被告「予
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く