近頃のマスクの値段の高騰で、ふと、江戸時代のソロリコロリの騒動を思い出しました。 前にもこの件については触れたことがあるのですが、今回はちゃんと資料を出して読んでみようと思います。 この件はもちろん江戸時代の資料にも見られるのですが、今回は、この件がまとめられていた、明治四十四年刊の宮武外骨著『筆禍史』を使用したいと思います。 明治時代の著作物でもまだ現代語訳が必要と言うねヾ(๑╹◡╹)ノ" 筆禍史 - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 元禄六年四月下旬、或る所の馬、物語りしには、「本年、ソロリコロリと呼べる悪疫流行す。之《これ》を除《よ》けんには、南天の實と梅干しを煎《せん》じて呑《の》めよ」と。且《か》つ「病《やまひ》除けの方書《かたがき》」とて一小冊を發兌《はつだ》せし者あり。奇を好むは人情の習ひ、一犬虚を吠え、萬犬が實を傳えて、江戸の人々大いに驚怖《きょうふ》し、南天の