保管されている遺伝子組み換えの花粉症緩和米=茨城県つくば市の農業生物資源研究所 花粉症の症状を和らげる遺伝子組み換え米の開発が、立ち往生している。背景には、このコメが厚生労働省から医薬品だと指摘されたことや、遺伝子組み換え技術への不安があるようだ。農林水産省が補助金を出して後押ししてきたプロジェクトだが、お蔵入りする可能性も出てきた。 花粉症緩和米は、アレルギーの原因となるスギ花粉に含まれるたんぱく質の遺伝子を、人工的にコメに組み込んだ新品種。コメを食べながら、徐々に体をアレルギーに慣れさせることで、症状緩和の効果が期待できるという。 農水省は04〜07年度、独立行政法人・農業生物資源研究所(茨城県つくば市)と、日本製紙(東京)による研究プロジェクトに計6億7千万円を投じた。隔離農場で栽培し、ネズミやサルへの実験を続けてきた。その結果、普通のコメを食べたネズミと比べて緩和米を食べたネ