これまで、ニトリやホンダといった、消費者の目に留まりやすいBtoC企業の成功事例を取り上げてきた。 「それは、有名企業だからできること…」。そんな怨嗟の声が聞こえてきそうだ。 では、この企業はどうだろうか。 大日本印刷。 出版業界を陰で支える黒子的な役割のBtoB企業が、今回の「就職したい企業ランキング」で総合9位に入った。 「まず興味を持っていただく」 就職先を選ぶ時、学生はまず、身近にある商品や広告に目を向ける。だから、消費者に直接触れる機会の少ないBtoB企業は、たとえ一流企業でも業務内容が見えにくく、学生の興味対象から外れがちだ。 つまり、BtoB企業にとって、学生との距離が遠いことが、採用活動で大きな障害となっているわけだ。 そんな中、2012年度の人気ランキングで、前年の55位から9位へと飛躍したのはなぜか。今回は、その謎を探っていく。 同社の手がける領域は、雑誌や書籍の印刷と