新しい衰退の手触り。未来世界を、人体と価値観の変容を、世界が衰退していく様を派手派手しく演出するのではなく、ただそれは当たり前に起こる日常的な出来事の一つであり、特段不思議なことでもなんでもないといった独特な距離感を保ってこの世界は描かれていく。 我もまたアルカディアにあり (ハヤカワ文庫 JA エ 3-1) 作者: 江波光則,loundraw出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る江波光則さんはこれまでガガガや星海社でアニメ系のイラストがついたライトノベル・ジャンルに属する小説を書いてきたわけだけれども、コアなファンの根強い支持のある作家だった。売れ線をつくというよりかは薄暗く、一瞬で「うげえ、えぐいとこいくな」みたいなところを当然のようについてきて、しかしそれが実に読ませるというまあなかなか「面白いけど、薦めにくい