テスカトリポカ (角川書店単行本) 作者:佐藤 究発売日: 2021/02/19メディア: Kindle版この『テスカトリポカ』は作家・佐藤究の『Ank:a mirroring ape』以来約3年半ぶりの長篇作品。著者がデビュー作『QJKJQ』、『Ank』で打ち立てた高い評判は知っていたんだけれども読み逃していて、著者の長篇を読むのはこれがはじめて。 それが読んでみたら、ここまで凄まじい作家だったのか、と心底驚いてしまった。いや、NOVAに収録された短篇は読んでて、すごい作家なのは知っていたんだけど。どんな話かをざっくりいえば、メキシコの麻薬カルテルに君臨していた男が、対立組織に組織も一族も皆殺しにされ、メキシコを脱出。各地を転々としながら日本にたどり着き、そこで新たな臓器売買のシステムと、対立組織への復讐のため”暴力の集団”を作り上げる物語である。カルテル周りの描写は、ドン・ウィンズロウ
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