作家たちは近代といかに向きあったのか――。 言葉をとおして世界にかかわり、近代の諸問題に取り組もうとした20世紀イギリスの作家たち――D. H. ロレンス、レイモンド・ウィリアムズ、ドリス・レッシング、ジョン・ファウルズ――の批評意識を、「読むことの系譜」から明らかにする。 それは、文化と社会の根本にかかわる近代の「長い革命」(ウィリアムズ)のひとつの系譜でもあるのだ。新鋭の英文学者の初めての著作であり、渾身の英文学評論。 近藤康裕(こんどう・やすひろ) 1980年、宮崎県に生まれる。2010年、一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、慶應義塾大学法学部専任講師。共著に『愛と戦いのイギリス文化史 1951-2010年』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『文化と社会を読む 批評キーワード辞典』(研究社、2013年)。共訳書にトニー・ジャット『失われた二〇世紀』(N